今日は、鈴木 祐さんの『天才性が見つかる 才能の地図』です。
4.4 5つ星のうち4.4 186個の評価
目次
この本で分かること
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目的
自分を生かし方を知りたい。
メモ
・高収入より周りから尊敬されている人の方が幸福度は高い
人間関係を充実させることを意識
・好きを追っても成功できない
「好き」は時間とともに変わるので、長続きしない。
人間の好みの平均は2~3年と言われている。
これは驚きましたが、納得感がありました。
大抵の好きはスポーツ、音楽、アートに関係するので、数少ない仕事をめぐって競争が激しくなる
好きが評価されにくい職業もある。
コンサルは情熱的ま姿勢が好ましいが、会計士はそうではない。
・「自然にやってしまうこと」に注目すると能力を見落とす
これが意外だった。
4つのパターンがあるらしい。
【別の能力が足を引っ張っている】:特定の能力が表に出るのを、別の性格や特性が妨げてしまうパターン。本当は「リーダーシップ」の能力が高いのに、同時に「謙虚さ」と「慎ましさ」といった能力のせいで、周囲の人間の先頭に立つモチベーションが上がらないといったケースなどが考えられる。
たしかにあるかも。
【スキルのなさが足を引っ張っている】:持ち前の能力を表現するスキルが足りないパターン。本当は「共感力」と「思いやり」などがあるのに、他者とうまくコミュニケーションを取るスキルが不足しており、そのせいで持ち前の能力を出せる段階まで進めてないケースなどが考えられる。
思い当たる節がある。
環境が足を引っ張るケースもあるみたい。ルーティンワークを長く続けたせいで、クリエイティブな発想を使わない習慣が体に染みついてしまっている状態。
これは怖い。
【セルフイメージが足を引っ張っている】:「私はこういう人間だ」という思い込みが強く、自分が持つ他の能力に意識を向けられないパターン。「私は誰とでも仲良くできる人間だ」という思いが強すぎるため、他人から理不尽なことを言われても穏やかな態度を保ち続け、「自己主張」や「自己顕示」といった能力が表に出せないパターンなどが考えられる。
全部自分に当てはまる気がする。
本書を手に取る人間は大体自分のような人間なのかもしれない。
・得意を生かそうとしても大して成果は上がらない
まず1つめは、長所を伸ばすよりも、欠点を直すほうが効果が大きい点だ。実際のところ、過去に行われたメタ分析によれば、従業員の欠点を直すアプローチの効果は、得意なことを活かすアプローチよりも大きい。どれだけ頭がよくても性格が悪かったら周囲の助けを得られないし、いくら絵が上手くても自制心がなければ作品を完成させることすらできないから、これは当たり前だろう。
ほんの小さな欠点でも大きな長所を消してしまうことはあるでしょうね……。
作業モチベーションが高い人は特に自分の欠点を意識した方がパフォーマンスは上がりやすい。
新人などは得意を集中した方がよく、自分のネガティブな面も前向きにとらえる傾向にあるベテラン社員は欠点を意識したほうがいいみたい。
新しい発見。
他にも得意をあきらめたほうがいい理由があって、それは得意なことをいくら極めても自分より得意な人が現れたら活躍できなくなってしまうということ。
また、比較優位の考え方ではその環境においての比較優位に専念することで全体の成功につながるケースがある。
いくらギターが上手くても、バンド内では比較優位な歌に専念したほうがメジャーデビューの可能性が高まることもある。
・IQの高い人は人間関係の質が低い
IQが高い人は周囲と同じ興味や意見を持つことができず、話が合わないことが多い。
IQが高い人は共同作業が苦手でもあるらしい。
また、心身のトラブルが多い。
IQが高い人ほど周囲の情報を取り込むことが上手いため、脳が過剰に興奮しやすく、ストレスが多いらしい。
→ストレス解消を意識的に行う必要がある。自然など。
・金持ちの家庭が有利でもない
「両親の裕福さ」と「子ども時代のIQ」という2つの要素を合わせても、将来の年収の約14%しか説明できなかった。
・自信も成功には関係ない
これもまた意外。
自尊心と仕事のパフォーマンスの相関関係は0.26。
人生の成功において、自尊心の重要さが占める割合は9%前後。
勇気が湧いてきますね。
ちなみに自分のルックスに自信がある人が周囲から美男美女だと思われている確率は5割程度らしい。
そもそもどんなことでも自信があったとしても客観的に見て必ずしも実際に能力が高いわけではないということである。
面白い。
・ポジティブ思考までも
ポジティブ思考が多い学生ほど、卒業後に就職のオファーが少なく給料が低かった。逆に、人生についてネガティブ思考が多い学生のほうが、年収は高い傾向にあったんだ。
ポジティブ思考の弊害はありそうだとは思っていたけど、実際に年収まで低いとは。。
ポジティブな人は、ネガティブな人よりも努力を怠る傾向がある。
ものごとがうまく行かなかったときのショックが大きくなり挫折に弱い。
ネガティブ思考は「防衛的ぺシミズム」が働くので、未来に向けた準備や努力をしやすい。
うまく行くかどうかより、どれだけ失敗に耐えられるかを考えよう。
・「がんばり」にこだわる人ほど不幸な感覚が増える
あきらめを使った方がより建設的な方向にエネルギーが使えて、日常の問題に柔軟な対応ができるらしい。
たしかにあっさりあきらめた方が心が軽くなって、結果にもそれなりに満足いくことが多い。
やり抜く力の副作用を知ることも大事。
・練習の効果は全体の12%
少ない!ここまで低いとは。。
バイオリニストのパフォーマンスでは最高のミュージシャンの方が練習量が少ない傾向まで確認されているらしい。
ただ、努力が報われやすい分野も当然あって、それはトレーニング方法が確立された分野。
スポーツ、数学など。
練習はパフォーマンスは決めるの12%しかないが、残りの88%は山のような要因が絡み合っていて決定的な要素は誰にわからないということが分かっている。
「過去の自分を変える」という観点では努力は裏切らないが、パフォーマンスの高さや成功にはそれほど関係していない。
たいていは「人生の成功にはいろいろな能力が関わっていて、これといったものは決められない」との結論に落ち着いて終わる。
・EQの高さ、しなやかマインドセットも関係ない
・遺伝率とは
遺伝率とはバラバラ具合を表す数値。
名門校の生徒は、みんな同じような環境で育ったから、あとは遺伝の勝負→遺伝率は90%みたいな概念らしい。
比べるものによって遺伝率は大きく変わる。
・遺伝子の働きは努力で変えられる
遺伝子は「ウィンドウ・アート」のようなもの。
嫌な体験をしたせいで遺伝子が悪い方向に変わるって、なんだか理不尽な……。
ただし、これらの研究には希望もある。大きなストレスを受けた人たちでも、良い友人がいたり、良いコミュニティに入っている人はストレスによる悪影響を逃れただけでなく、逆に遺伝子のスイッチが良い方向に切り替わった。
この他にも、運動をすれば、筋肉や骨を成長させるスイッチが入るし、健康的な食事をすれば細胞を若返らせるスイッチが入る。
遺伝子のスイッチを入れるために、ジムに行く、野菜を食べる、骨を叩く。
このように遺伝子は環境によって切り替わる。
全く違う人間にもなる。
遺伝子を変えるための手っ取り手段が環境ということだろうか。
・似た人が多い環境では生れつきの能力に左右されやすい
・優位なかたよりは得意なこととは限らない
周囲の人の能力との兼ね合いで自分の優位なかたよりは常に変わっていくもの。
環境が少し変わる度に見極める必要がある。
・かたよりの検討をつけて試す→修正する
正確な比較優位にこだわるよりは、「かたより分析」でざっくりと見当をつけながら、現実の世界で異能を試す作業をくり返すほうがおすすめです。
・ルールが曖昧な世界であるほど、能力が低くても逆転可能
型を破るには型を知り尽くしていないといけない
既存のルールを研究して、自分のかたよりが評価される環境に身を置く、またはそのルールを作る。
曖昧な世界の方が多数のルールがあるから自分にフィットするルールを探せばよい。
成功へのルートがはっきりとしない状況では、「自分は何をすべきか?」が判断しづらくなり、途方にくれる人が増えてしまう。
・自己アピールは必要
しかし、一方では、世の中で活躍するには自己アピールが欠かせないのも事実だ。例えば、10万件以上の論文を分析した研究によると、一般に、男性の科学者は女性よりも「この研究はユニークだ」や「私の調査は前例がない」といった大げさな表現を使うケースが多かった。そして、さらに分析を進めると、自己アピールが強い論文の方が、だいたい10%ほど評判になりやすかったんだ。
自信に満ちた態度の人は、嫌なやつだと思われるリスクがある一方で、「この人は有能だ」という印象を持たれやすいメリットもある。彼らのような存在に負けて自己アピールを控えていたら、自信があるだけで能力のない人たちに活躍の座を奪われかねない。
自己アピール大事。
アドバイスをもらうふりで自己アピールする方法や、他人に伝えてもらうという方法が有効らしい。
・能力は適度に使う
例えば、「自信」という能力を使いすぎたら、それはただの「傲慢」でしかなくなってしまうだろう。同じように、「協調性」を使いすぎれば「自主性のなさ」に代わるし、「決断力」は「強引さ」に、「柔軟性」は「芯のなさ」に転じる。少し使いすぎただけで、せっかくの能力が弱点に変わることは珍しくない。
哲学者アリストテレスも言うように、「すべての美徳は過剰と不足のバランス」で決まる。「勇気」という能力は「軽率」と「臆病」のバランスが取れた状態だし。「優しさ」は「自己犠牲」と「冷淡」の真ん中にしか生まれない。異能を正しく活かすには、つねに中庸を考えなければならないんだ。
今から何をするか
3か月後には何をするかどうなっていたいか
優位なかたよりを発揮できている状態。
どんな環境でも自分のかたよりを使って成果を残せるという自信を持っている
まとめ
鈴木祐の著書は知らなかったこと、学びの数が圧倒的に多い。
読書とまとめに時間はかかるけど、通常の3倍くらいためになっている気がする。
一方で、こういう類の本は楽しめていない自分もいるような気がする。
表紙は手に取りやすいものが多いが、中身は本格的なワークなど結構疲れる。
だからこそ、読む価値があるとも言えるが。
モチベーションが高いときに読むのがおすすめです!