今日は、坂牛 卓さんの『教養としての建築入門』です。
★4.4 、評価35個
建築というカテゴリの全体像をなんとなく掴みたくて読みました。
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目次
この本で分かること
本書は、建築の勉強を志す初学者や建築をなりわいとする人、そして建築を見て楽しむ一般読者が、これ一冊を読めば誰でも「建築」について一通りにことがわかる、ということを目指した。全体像を描くために、三つのアプローチを手がかりとしたい。まず「使用者・観賞者」の支店。次に、建築を設計する「建築家」の視点。そして、建築が存在する「社会」の視点である。
米作の発達
日本人は縄文時代後期、狩猟生活で移動しながら生活していたが、米作をするようになり定住するようになった。
弥生時代には米の保存に優れた高床式住居をするようになった。
ポストモダニズム/箱建築の批判
自律的建築はカントのの自律の哲学から生まれた。
こうした無装飾な箱が20世紀を代表するル・コルビジェに受け継がれ、モダニズム建築の源流になった。
20世紀半ばを過ぎると、のっぺりとした建築に愛想を尽かす。
そしてポストモダニズム建築が登場した。
科学的で合理的な社会に対する反省が、すべての分野で始まった。
ポストモダニズムという言葉は建築を発端とし、哲学、社会学、文学、その他の文化的ジャンルの変化を説明する言葉そして世界的に流行した。
建築ではまず建築史家のチャールズ・ジュンクスがのっぺりした装飾的な箱建築は意味が1つしか読み取れない、箱は箱でしかないと言って批判した。
ジュンクスはシドニーのオペラハウスやル・コルビジェの晩年の作品であるロンシャンの礼拝堂などは、意味の多重性があるから人間の想像をかき立てる点で素晴らしいと評した。
例えば、オペラハウスはヨットの帆にも貝殻にも見えるから、豊穣な想像力の萌芽を秘めていると言って称揚した。
新たな建築の見方の登場
その後ギリシャ神殿の柱を建物につけるなどの昔のスタイルが再登場するが、この他律的建築の注目は長続きしなかった。
しかし、他律性の考え自体は引き継がれ、二十世紀末にエコロジー(エネルギー、地球環境の問題)が新しい他律性として建築とともに考えられるようになった。
また、「新唯物論」は建築がこれまで人間中心主義に加担してきたことへの反省の視点を示した。
建築は人間がいなくても、それ自体が自然の一部として存在するという視点が新たに生まてきた。
建築の電化製品化
建築の「検査」という建築のトリセツのイベントがあることは建築が電化製品化してきたことを意味する。
高層建築の誕生
二十世紀になって高層建築ができるようになったのは、鉄骨や鉄筋コンクリートなどの頑丈な材料が出てきたこと、エレベーター・空調機などの発明があった為である。
空調機のおかげで部屋を広くすることが出来た。
機能的なものが美しい
機能的に作りなさい。戦艦大和が美しいのは機能的だからだ
平山郁夫
形態は機能に従う(Form follows function)
アメリカの建築家ルイス・サリヴァン
植物の部位が役割に応じて形がきまるように、建築の形も生まれ出るものであるという考えである。
植物の「機能」は「宿命」「摂理」ともいえる
フランクロイドライトはこの考え方に影響を受けている。
ちなみに丹下健三は「美しいもののみ機能的である」と述べている
気密性と換気
昔の建築は技術的に気密性が低かったから窓を開けずとも換気ができていたが、現在の気密性の高い建築では意識的に喚起する必要がある。
酸化チタンの表面で光触媒
東京理科大学の学長を務めた藤嶋昭氏は大学院時代、水溶液中の酸化チタン電極に強い光を当てると、酸化チタン表面で光触媒反応が起きることを発見した。
水を酸素と水素に分解する能力が注目される。
水素は使用してもCO2を発さない。
現状は、実用化には至っていない。
超親水作用は物質の表面で水滴を作らない能力である。
ガラス表面に祖父すれば、表面の水が汚れと一緒に流れる。
外壁の汚れ防止にも使える。
人間と建築
スイス出身の美術史家ハインリヒ・ヴェルフリは人間は建築をみたときに自分の身体感覚を建築に没入させる本能があるという。
柱は足に見立て、梁を腕に見立てる。
建築は人間を包みこむもの器であり、衣服が拡大してものと考えられることから人間が建築に没入するよいう感覚はそもそも自然なことと言えるのかもしれない。
「観念連合」という言葉もある。
何かを見たときにそこから想起される記憶や想像のことである。
建築を見たときも何かを思い出す。
新実在論と建築
マルクスガブリエル(ドイツの哲学者)が唱えたこの見方は、建築は輪郭を楽しむのではなく、素材の色や肌理や透明性を味わうものだと。
物自体建築は建築は人間の為のものではなく、自然の一部であるといった見方になる。
建築と衣服
大きな服を着ている感覚と近いもので、小さな空間を服のように感じさせられることができることがある。
内在する概念、外在する概念
内在する概念:デザイン、柔軟性、形、形式性、機能、秩序、簡潔性、空間、構造、透明性、真実、型。
外在する概念:コンテクスト、歴史、記憶、自然、使用者