いくら時間に余裕があるときでも、大事でないことを引き受けることが未来のチャンスを逃すことに繋がる可能性もある。
今日は、グレッグ マキューンさんの『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』です。
4.4 5つ星のうち4.4 6,338個の評価
目次
この本で分かること
本書を読む目的
向上心はときに絶えざるプレッシャーとなってあなたを襲う。
あれもこれも試したい、いいこと全部自分の生活に取り入れたい。
だが、そんなやり方では人は進歩できない。
何事も中途半端に終わるのがオチだ。
この苦境を抜け出すための鍵は、人生を本質的要素だけに絞り込むこと。
本書は、自分にとっての本質的要素を見つけ出す手がかりとなるだろう。
ダニエル・ピンク
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やることを絞る
複数方向にエネルギーを分散させるとどれも中途半端にしか進めなくなってしまう。
まず、左側の丸。エネルギーの矢印が無数に分散している状態だ。
それから私は、もうひとつの丸を描いた。一方向にエネルギーが集中し、大きく前に進んでいる。
最優先事項とは
最優先事項とは、何を差し置いてもやるべきたった一つのことであり、最優先事項が5つもあるというのは何も優先していないのと同じことである。
自分のエネルギーをどこに注ぐか決められずにいるうちに、誰か(上司、同僚、顧客、家族等々)が私たちのやるべきことを決めてしまう。そうして思考停止に陥り、自分にとって何が大事なのかわからなくなる。
自分で選べない人は、他人の言いなりになるしかないのだ。
捨てる為の考え方
「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」と考えるとバイアスがかかっていることに気が付ける。
もしも選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになる。自分で「これを捨てる」と決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまうだろう。
不要なものを捨てれば、必要なことをするための余裕ができる。実際にどうやって必要なことを実行しるか、次のステップで考えていこう。
本当に価値のあるのは少ない
リーダーシップ論の権威ジョン・C・マクスウェルもこう述べている。
「ほとんどあらゆるものは、徹底的に無価値である。」
多数のいいチャンスは、少数のものすごくいいチャンスに遠く及ばない。そのことを理解し、数かぎりないチャンスのなかから「これだけは」というものを見つけなくてはならない。本当に重要なことにイエスと言うために、その他すべてにノーというのだ。
トレードオフは自分を知るチャンス
「偉大な企業をつくるか、偉大な思想をつくるか、どちらかだ。両方選べない」
トレードオフは痛みを伴うが、絶好のチャンス。
自分の本当の望みを明確に知ることができる。
空白の時間をつくる
ある企業でマネージャーをつとめていた男性は、あと5年早くやめるべきだったのに、と後悔していた。業務があまりに忙しすぎて、その会社にいるべきかどうかを考える余裕がなかったのだ。そのせいで、貴重な時間をずいぶん無駄にしてしまった。
こうならないようにする。自分と向き合う時間を大切にする。
遊びの効果を知る
デスクにボタンを押すと「楽勝だぜ!」としゃべるおもちゃを置いていた。そうすると非エッセンシャル思考に陥ることを避けることができる。
睡眠不足の弊害
睡眠不足は集中力が落ちることよりも、何が大切か見極める能力が落ち、優先順位がつけられなくなることが大きな問題である。
採用もより少なく、しかし良く
相手の見た目に左右されない為にまずは電話で面接を行う。その後、体験入社。最終的には社員に「一緒に楽しく働けそうか」というアンケートを取る
また、この人が創業メンバーだとしても違和感がないかという判断基準も有効。
未来のチャンスを想像して判断する
だが、簡単に手に入るという理由だけでそれを選んでいいだろうか。これを選んだせいで、数日後にやってくる理想的なチャンスにノーを言うことにならないだろうか?
この判断は今までしてこなかった。
いくら時間に余裕があるときでも、大事でないことを引き受けることが未来のチャンスを逃すことに繋がる可能性もある。
断り方
相手にトレードオフを意識させるような断り方が有効。
「はい、ではこの仕事を優先でやります。今抱えている仕事のうち、どれを後回しにしますか?」
肯定をつかって断わるというテクニックもある。
「どうぞ僕の車を使ってください。キーを置いておきますね。」
親切な表現を使いながら、運転は引き受けないという意志をきっぱりと表現している。
問題を分けて考える
それからクラウドは、夫婦にたとえ話をした。隣人が、まったく芝生に水をやらない人だったとしよう。あなたがスプリンクラーをつけると、水の勢いが強すぎていつも隣の芝生にふりそそぐ。あなたの芝生は枯れそうになっているが、隣人は自分の青々とした庭を見て「今日も調子がいいな」と満足している。あなたの努力は無駄になるし、隣人はいつまでたっても水やりの習慣を身に付けていない。どうすれば解決できるか?クラウドはこう説明する。
「塀を立てなさい。問題をあなたの庭から追い出して、隣人のもとへ帰してやるんです」
お世話しすぎることは誰の為にもならない。
境界線(フェンス)を引いておかないと目一杯(グラウンドを)使うことができない。
あらかじめ境界線を引いておくことが大切だ。
相手を動かす
メールで進捗確認するかわりに直接会いに行って、手伝えることはないか聞く。非難ではなく、助けになりたいという姿勢を見せる。
システムで解決する
子供のテレビ、ゲームの時間を制限する為に、1週間に10枚のチケットを与える。チケット1枚で30分間のテレビやネットが可能。しかし、1枚につき50セントももらえる。1週間テレビを我慢すれば、5ドル手に入ることになる。また30分間読書をすれば1枚のおまけのチケットが手に入る。
これで子供の読書量は増え、テレビの時間も適切にコントロールすることが可能になる。
まとめ
いくら時間があってもどうでも良いことを引き受けると、未来の大切なことを逃す可能性がある。