今日は「ビジネス・フォー・パンクス」ジェームズ・ワット (著), 高取 芳彦 (翻訳), 楠木 建 (読み手)です。
パワフルな言葉や精神が感じられ、メーカーのスタートアップを成功させた過程・考え方が分かります。
本書はイギリスにクラフトビールの文化を作ることに熱中し、世界的なクラフトビールを作ったブリュードッグという会社の創業者の自叙伝となっています。
著者はすべて自分の手で作る、他人に強制されないというパンク精神を大事にしている方で、その精神性/エッセンスが表紙や本の体裁にも非常に表れています。銀色の紙のページがあるとかですね。
こういった自分が好きな企業のお店とかの設計ができたら素敵なことだなあと作りたい空間がまた1つ増えました。
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目次
目的
私は将来、建築設計を軸に世の中がより良く、より面白くなるような時間を作りたいと考えています。
今後の活動をどういう意識で進めていくかということの参考にする為、本書を購入しました。
本書には、
・始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ
・人の話は聞くな。アドバイスは無視しろ
・事業計画なんか時間の無駄だ
・嫌われ者になれ
・永遠に青二才でいろ
・すべてがマーケティングだ
・顧客ではなく、ファンをつくれ
という言葉にそそられました。
本書のイメージ
・始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ
・人の話は聞くな。アドバイスは無視しろ
・事業計画なんか時間の無駄だ
・嫌われ者になれ
・永遠に青二才でいろ
・すべてがマーケティングだ
・顧客ではなく、ファンをつくれ
こんなメッセージが込められている本です。
Amazonでも買えますし、日本にも各都市にブリュードッグのパブもあるようです。
つまり世界進出するほどに成長しています。
スタートアップらしく、費用を徹底的に抑えた広告、ブランディング、HP制作もすべて自分たちで行うDIY(Do it yourself )精神。
ブリュードッグのような〇〇が好きという気持ちが滲み出て、溢れ出すような企業が非常に高く評価されていく時代になるのではと思います。
会社の立ち上げ時期
スタートアップの80%が立ち上げから1年半で潰れる。
生き残っても会社が軌道になる確率は20分の1。
つまりほとんどの会社は成功しない。
起業には圧倒的な情熱とサービスが必要。
会社の立ち上げから数ヶ月のうちに下す決断で、世界での自分の立ち位置が決まる
自分が最も未熟な時期に会社の運命が決まる決断に迫られるらしい。
こういった考えは初耳で、なぜそうなのかは分からないが、頭の片隅に置いておこう。
成功する企業には
成功する企業には必ず圧倒的な情熱が必要。
しかもそれは、世界をより良くしたいといつ圧倒的な利他精神である。
大成功する企業の精神には必ずといっていいほど、誰かの為にやる、という情熱がある。
確か、こちらの本にも書いてあった
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失敗するな。成功しろ
よく失敗から学べというが、著者はそんなことは否定する。
こういうニセ実業家は「失敗から学べ」と吹き込んでくる。だが、それは負け犬のやり方だ。失敗にも少しくらい学ぶことはあるかもしれないがそのことを慰めにするのは、自分の未熟さを正当化しようとする弱い人間の浅知恵でしかない。失敗なら学べるのは、実力が足りないということと、もっと実力が必要だということだけだ。はっきり言って、意味のある学びは成功の中にしかない。
本当に失敗したなら、学ぶのではなく、頭を使って挽回すべきだという。
自分の商売のことは他人にはわからないし、絶対に自分の方がよく考えている。
これは最近よく感じる。
それが何故かというのは、「自分の方がよく考えている」ということに集約されると思う。
しかも、私個人でいうと、幅広く正確な情報を収集する能力が人より長けていると思っているので、尚更自分の考えを大切にして良いということが言えると思う。
実現するのはただひとり、自分だけだ。他人の思いつきと入れ知恵を切り貼りしても、ろくな結果にならない。自分が先頭を走れるとき、誰かの後ろに続こうなんて考えなくていい。
ニッチを攻めろ
狭い領域ならトップを走るチャンスがある。
イギリスのクラフトビールというカテゴリが当時存在しなかった。
しかもクラフトビールは世界に需要がある。狭い(存在しない)且つ、広いという領域だったのだろう。
スピード狂になれ
行動が遅れれば、周囲の反応はもっと遅れる
周囲の反応は貴重な情報だ。
まず行動。「知らぬが仏」
半径5mの瞬発力と質を意識する。
Do it yourself / 全て自分でやれ
制約があるから独自性や確信性が生まれる。制約を積極的に受け入れよう。
立ち上げは特に人任せ/外注は極力避ける。
どこも口先ばかりで、でかいことを言っても、結局のところ本人のように手塩になけてビジネスを育てる理由は持ち合わせていない
パンク的DIY精神で事業に関わるすべてを自分の手で行う。事務作業やプランディン、動画編集、助成金の申請などありとあらゆることすべて。
あっという間にすべてに詳しくなれる。
サービスの質を徹底に磨け
情報化された現代ではいい商品はひとりでに広まっていく。
思ったより早くなら誰かが見つけ出してくれる。
批判を求めろ
世の中には、あなたを叩くことだねが生きがいの負け犬がたくさんいる。こういうきまりにとらわれた社畜たちは、あなたの成功を望まない。新しいものを恐れ、怯えているのだ。そして、みずからの先見性のなさを正当化するため、現状に必死でしがみついている。連中は人の皮をかぶった羊なので。群れの中で歩き、話し、眠ることが決められている。すべてを没個性で平凡なレベルに引きずり下すことを命じられた、惨めな操り人形だ。
このような人が現れるのは正しい道を進んでいる証拠になる。それにファンが自分を守ろうと動いてくれれば、よりファンと会社の結束は強まる。
半年に一度、最大のリスクを冒せ
変わらないことは逆に一番のリスク
会計はビジネスをおける言語だ
ウォーレンバフェット
会計はビジネスをおける言語だ
スポーツで言えばスコアブックのようなもので、得点を記録できなければ自分が優勢なのか、劣勢なのかもわからない。
顧客の支払い条件を極力短く
仕入れ先への支払い期限を延ばす
法人顧客を口座引き落としにひ、請求と同時に支払いを受けられるようにする
当座貸し出しは融資より使い勝手がいい。(銀行員を味方につけ枠を広げる)
ビジネスの生命線はキャッシュだ。
銀行では別人格(凡人)になれ
キャッシュの為なら、銀行に媚びを売ることが必要な時がある。
この会社のポテンシャルを潰さない為には融資が必要だと思わせよう。
銀行に夢を売り、セールストークをする。
銀行は複数と取引し、一方の銀行の条件を引き合いに他方の銀行から好条件を引き出す
パンク株で仲間を集める
あらゆる資金を集める
公共機関、企業振興機関、地方自治体、政府系機関が提供する助成制度など全ての資金調達手段を頭に入れておく。
仕入れ先に融資を頼むこともある。自社商品が売れれば仕入れも増えるというWin-Win関係から融資を受けられる場合がある。
リース後購入の検討も忘れない。
粗利も死守する必要がある。どんな取引先な大しても強い姿勢で粗利を守り、大口顧客の全体に対する割合も小さくする。そうすることでさらに失ってもダメージを受けず、更に強い姿勢で交渉することができる。
はしご(段階価格)/松竹梅を利用する
すべてがマーケティング
ブリュードッグではビアマットでさえマーケティングに利用している。
店舗に行くと、体感できるかもしれない。
請求書
どうか期日通りにお支払いを。犬にエサがやらなくなってしまいます。これが冗談ならどんなにいいでしょうか。もし期日通りに支払う気がないようでしたら、せめて犬用ビスケットを以下にお送りください。
ブリュードッグ社
スコットスコットランド、
エロン町バルマキャシー
オンラインコンテンツを充実させる
会社の価値を体現していることを裏付ける普段の活動をオンラインコンテンツにする。SNS、ブログにアップする。
インパクトとユーモアと価値観を正確に伝えられるかが大事。
世界進出の仕方
進出先の卸売業者に電話してはいけない。
商品・サービスを愛してくれる現地のインフルエンサーやブロガーに無料で提供する。そうして広めてもらう。そうして現地の市場を作り、ならしておく。
そうすると卸売業者の方が連絡が来る。
社内文化が馴染みでブランドになる
社内を最も大事にする
攻撃型の仕事の時間を作る
問題に対処するリアクション型のタスクを時間を囚われすぎてはいけない。
多少遅れても、会社の生死に関わるような長期的で創造的な仕事の時間を死守しよう。
メールの返信が遅れてもいい。ただし、それ以上の価値のある仕事をしよう。
自動返信メールで返信が遅れることをあらかじめ理っておく。自動返信メールの文章にもユーモアを忘れないように。
許可ではなく寛容を求めろ
ルールを超える為にルールを誰よりも理解する。
超える際には許可ではなく、相手に寛容を求める
使命は生き続ける
現代の顧客は商品の話など、聞き飽きている。
会社はブランドはいつかなくなるが、使命は生き続ける
商品という魚ではなく、市場という池を大きくする。
おまけ/本書に掲載されている名言
本書には「○○のパンク」というフォーマットで著名人の名言が随所に差し込まれています。
個人的に名言が好きで、印象的な名言は集めるようにしています。
以下に、本書掲載の名言の一部を紹介します。
すべてを十分に知り得ないからといってすべてを疑おうとすることは、翼がないからといって足を使おうとせず、ただ座ったまま死んでいく者の理屈を何も変わらない。
ジョン・ロック(哲学のパンク)
本書の冒頭ー目次よりも前ー、1番最初に出てくる文字がこの名言です。
本書掲載の名言の中で、著者が最も伝えたいこと/著者の価値観を最もよく表している言葉なのでしょう。
まとめ
人の経験を当時の思考まで含めて知ることができるのは効果的。
本書は言葉のエネルギーが高く、読者の行動を促すので効果的。行動することに意味があると思うので。(行動主義は科学的根拠に基づいているはず)